しばらく戸惑っていたらガラッと音を立てて
誰かが入ってきた。

げ、翼じゃん!!!

しばらく暗い部屋の中を

きょろきょろ見渡している。

そして、私の存在に気づいたのか、

こっちに走ってくる。

「お前、大丈夫か?」

びしょびしょの頭をしている翼が
言った。
床にもぽつりと髪の毛を伝い、
水が落ちる。

「へ???」

なんで私が雷苦手だって事
知ってるんだろう、と思って
聞き返した。

「羽美からメールあって、今頃怖がって図書館に座り込んでるはず。ってきた。」

翼の大きい手に私は
撫でられた。