─翼 Side─

やっべえ・・。さっきの手掴んだのマズかったかな。

いや、さすがのアイツでもあれは引くよな・・?

つーか、俺あのとき何言おうとしてたんだ?

まぁ、いいか。


俺はそんな事を思いながら、帰り道、
コンビニに寄っている。

あんまり羽美の家で喰ってこなかったので、
メロンパン一つに、コーヒーを購入すると、
バイクに乗って自分の家まで帰った。

─マンション*306号室

ガチャ・・・。

誰もいない暗い部屋に
扉を開ける音が響く。

俺は玄関にあるスイッチを押して、
部屋の灯りをつける。

浮気性な父親がいて、母親はそんな父親に
呆れたせいか、離婚しちまって、家族はバラバラになった。

って、わけですよ。まぁ、俺は両親から金送ってもらってるんで
生活はまぁまぁってわけで、心配はいらないっつうこと。