そうして、気まずい空気が
流れ込む。

私は翼に道を聞かれると、
答えるだけ。

そんなやりとりだった。

しばらく、バイクの揺れに
眠らされそうでたまらなかった。


そして私の家の前に着くと、
バイクが揺れと音を無くして、
静かな夜へと空気がいっぺんした。

「今日は、お疲れ!ちゃんと休めよ?」

翼はヘルメットを手に持って、
そういった。
私はヘルメットを座席に置くと、
翼に手を振った。

「ん、じゃぁね。」

コクンと私は頷いて
家に入ろうとして身を翻した時だった。

パッと誰かに手首を掴まれた。

へ??

疑問に思いながら後ろを振り向く。