「啓介は、勉強できないくらいがちょうどいいんじゃなーい?」

ちょっと嫌味っぽく言ってやった。

「うわー、そんなこと言ってると、勇河先輩に可愛がってもらえないぞーっ!」

あたしに負けじと、嫌味をぶつけてくる啓介。

「声おっきい!!!」

あたしが怒り出すと、走ってグラウンドへ向かって駆け出した啓介。

あたしも啓介の後を追ってグラウンドへ駆けた。



この時、あたしはまだ気づかなかった。


啓介の、心の底の思いになんて。