「夢じゃ、無いんだよな……」
その言葉が耳に届くのと同時に私の視界は真っ暗になる。
「は、葉山く……!!」
葉山君に抱き締められてる。
そう理解するのに時間はかからなかった。
「好きだ」
耳元で囁かれる台詞に私の顔は熱くなる。
耳も真っ赤なんだろうなぁ……。
「好きだよ、種田」
「……私も好き」
赤くなってしまった顔を悟られないように、葉山君に強く抱き付く。
「もう、絶対離さねぇから」
「うん……」
「嫌だつっても離さねぇから、覚悟しとけよ」
「うん……」
「……ずっと一緒に居ような、蒼空」
「っ!!
うん、ずっと一緒に居よ?悠輝……」
名前を呼ばれたことがくすぐったくて、幸せで、新鮮で……。
お互いに何度も何度も呼び合った。