後ちょっとで家だ…


よかった、間に合った。
























後ろから強く誰かに抱き締められた。















「捕まえた。」





「やだ…離してよ!」


泣きながらひろを振り払おうとするが力が強すぎて振りほどけない。


私はあきらめて動かなくなった。


「ごめんな…つまんないなんて言って"…」


「もういいの。ほんとにつまんない女だし、ひろに似合う人になんかなれないんだもん…」


「裕太から聞いたよ。」


裕太くんは、私に言ったことをひろに話したらしい。




「ばかだよな。あいつ。あやがしっかりしたらあやじゃなくなるのにな。」


「?」






「俺があやの好きなとこ、どこか知ってる?」


ぶんぶんと首を振る私。









「不器用なところ。」






「えっ」





なんで?


だめなとこばっかり、見えちゃうのに。



「不器用すぎるじゃん。ばかだし、どじだしちびだし…私なんかだめなやつじゃん!!!」





「そんなことねーよ。バイトだって頑張ってたし、お弁当だって作れるし。少しずつだけど頑張ってるじゃん。」





「ひろに似合う人になりたかった…」





「背伸びする必要なんかないよ。ありのままのあやが好きなんだから。」






そっか…


そうだったんだ…


「ひろ…!!」


私はひろに力一杯抱きついた。


「私…ひろのこと大好き…失敗ばっかだけど…不器用だけど…ひろ好きな気持ちは…誰にも負けないよ…ぉ…」


私、すっごい泣いてる…


かっこ悪い。


だけど無理して背伸びしなくてもいいんだよね



ひろは



不器用な私が大好きなんだから。


これからも…


不器用だけど…ひろのためならどんなことも…


かんばれる…