周りにいる乗客が私のことを見ている。


「あーちゃん!!」


裕太くんが私が転んだことにびっくりして、大きな目をさらに大きくさせて私を見下ろす。


「あや、大丈夫!?」


えりがしゃがみ込んで私を抱き起こす。


「平気ー。アハハ…捕まるとこなくて。」


ゆっくり立ち上がる。


「じゃあ、俺のとこ来なよ。代わってやるから」


裕太くんは、自分が捕まっているつり革を指差す…が。147センチしかないので届かない。


「すみません…届きません…」


「アハハハハハハハ!」


「ちょっ…裕太なに笑ってんの!失礼でしょ!?あや、あたしの服に捕まりな?」

「ありがと…」

えりの服をぎゅっと掴んだ。



もうちょっとおっきかったら、つり革届くのに…


と落ち込んでしまう私であった。