斜め後ろのひろが立ち上がり私にひざかけをかけてくれた。


黄色のひつじ柄のふわふわしたひざかけ。


温かい。


ひろの温もりが伝わってくる…


ゆっくり目を閉じる私。


「寝るな!」


私のほっぺをむぎゅってつねる。


「寝てないもん!でも、ありがと。温かい。」

にっこり笑顔でひざかけを触る私。


「おまえ風邪引きやすいからなぁ。しっかり温めろよ。」


そう言って自分の席に戻っていった。



放課後になってもずーっとひろのひざかけを愛用していた。


「あや。ちょっと話いい?」


ひろは、ジャージ姿。


これから部活に行くところなのだろう。


「いいよ。」


私たちは、いつもの屋上で話をすることに。