「あや!あやっ」


「ん~…」


目を開けるとひろが立っていた。


ハッ


みんな立ってる!!


授業もう終わったんだ。


やばい。爆睡しちゃった。


号令をかけ退散するみんな。


「ったく。おまえ寝過ぎ。」


眠そうな顔で廊下を歩いていたら、一緒に隣を歩いていたひろに頭を叩かれた。


「だって眠かったんだもん。」


「昨日寝るの遅かったの?」


「いや…朝がね…」

あっ


だめだめ。


お昼までのお楽しみにするんだから。


頑張って作ったお弁当。ひろに早く食べてもらいたい。


「なんだよ?」


ひろは首を傾げながら聞いてきた。

「なんでもない。」


「ふーん。あやらしいよなー。教科書全部忘れるとか」


「アハハー。ちょっと勉強しててさ」


なんて苦笑いをして嘘をつく私。


「おまえが勉強なんて絶対うそだろ。」


ひどい。


確かに勉強は、しないけど。