学校の昇降口に入るとやはり誰もいない。

それも、そのはずだった。


携帯を開くと8時45分。


もうすぐ1時間目が始まってしまう。


乱暴に上履きを地面に叩きつけ
急いで教室まで走る。


近づいてくる2年6組の教室。先生が出席をとっている。


バン!


思いっきりドアを開けるとみんながこっちを見ている。


「冴島!遅刻だぞ!」


浅見が私の方を向いて睨む。


「すみません…」


「まあ、熱が下がってよかった。」


口うるさいけど優しい浅見。改めてこのクラスでよかったなと思う。


席に着くとみんなが大丈夫?と心配してくれた。


1時間目は浅見の現代文。


鞄を開けるとびっくり仰天。