あやの家にピンポンを押してお母さんが出てきた。こんにちはと挨拶をしてあやの部屋に走った。

お母さんは慌てる俺を見てびっくりした表情を見せていた。


バンッ


思いっきりあやの部屋のドアを開けた。


「やっほー。」


中にいたのは、姉ちゃん。


にこっと笑って手を振る。


「早かったねぇ。」


姉ちゃんの膝の上にはあやが、赤い顔をして寝ていた。


「あや…」


咄嗟にあやの名前を囁く。


「あやちゃん可愛いね。ちっちゃくて♪
私、気にいっちゃった。」


あやの髪を撫でながら笑う姉ちゃん。


「熱…まだあるのか?」


「うん。かなりあるみたい。」


そっか。


話し合いなんかしたらまた
熱あがって倒れるかもしれない。



「これあやに渡しといて。」


そう言って姉ちゃんに手渡したのは、あやが大好きなフルーツオレ。


そうして俺は重いあしどりであやの家を後にした。