外は、真っ暗だった。


もう8時だからな…


ひろ…


会いたい…


「あや?」


振り返るとそこには会いたかったひろ。


「ひろっ…!」


私は思いっきり抱きついた。


「わっ…」


これから別れるのに…


なんで抱きついたりなんか…


でもひろの顔見たら安心しちゃって…


「熱い…熱あるのにそんなに興奮すんなよ。」


いつも通り笑うひろ。


いつも通り…


「…んっ…」


ひろが私の額を手でさわった。間抜けな声を出してしまった。


「きもちーだろ。あや熱高いから。」


「うん。ひろの手すっごくきもちい。」


私が別れ話をしちゃえば

こうやって優しく触れられることも


意地悪されることも


抱き締められることも



あやって名前で呼ばれることも


ちびってからかわれることも

助けてもらうことも


もう二度と…


二度とないんだね…


私の目から一筋の涙が流れた。