「ほら。」


重い空気を破ろうとしたひろは、私に器とお箸を取り出す。

よく見るとすき焼きの肉だった。


「えっ…なんで…」


「残り。俺が残したから食べな?あや倒れた時すき焼きーってずーっと言ってたから」


えっ…寝言…


恥ずかしいーっ


私はすき焼きのもう冷めた肉を口の中にいれる


冷たいけど卵と肉の味が広がって…


「おいしい!」


と精一杯の笑顔をひろに見せた。


ひろは真っ赤になりながら
そっぽを向いた。


「そんな可愛い顔すんな」

う…


ひろは謎。


優しいのかいじわるなのかわかんない。