しかし画面に表示されたのは
えりの名前だった。


「もしもし。」


「あやおひさ★元気?」


「うん。元気!」

ほんとはさっき落ち込んでたんだけど
強がっちゃえ!



「元気なくない?あやの強がりってばればれ。」


やっぱりばれた。


「うん。あのね、ひろから海の日以来全く連絡来なくって。」


「えーっ佐藤くん、あやのこと嬉しそうにおんぶしてたよ!?」


そういえば私、ひろの背中に乗ってぐっすり寝ちゃったんだ。


しかも家まで運んでくれたとか…


思い出して真っ赤になる私


「きゃーっ恥ずかしい!」


枕で赤くなった顔を埋め、
足をばたばたさせる。



「落ち着きなさいって。明日夏祭りじゃん?佐藤くん、誘ってみたら?」


明日は8月21日。


夏祭り。


今の私にはひろを誘うなんて無理。


「無理だよー!電話もできないのに。」


えりは少し怒りぎみでこう言った。