私達は奥へと進み、今度は小さなドアを開けた


「っ!」


そこには案の定、ウィックの姿があった


白髪は腰あたりまで伸び、くたびれた青いローブを着ている

目は闇の色

そこからは生気は感じられなかった


《よく来たのう》


頭に響くように聞こえる声


「ウィック…」

トライアンスが憎しみのこもった声で言った


《ほう…そなたが勇者と言うものか》


ジャスは完全にビビっている


《そなた達、ヒュドラはどうした
もう倒したのか?》


「友達に任せてきたわ
もうじき来るはず」


《そうか…

お主らの望みはこれじゃろう?》


ウィックはそう言って、ローブの中から青白く光る魔力の石を取り出した


「…えぇ」