太一、と呼びかけて駆け寄ろうとした時だった。 「伊藤!帰るのはやくね? 俺たちこれからカラオケなんだけど、一緒に行こうぜ。」 全然ありがたく無いお誘いに顔が引きつりながらも、あくまで優しく断る。 …というのも、私はこの山本太一が苦手だった。 しかも、この状態を太一にみられるのは非常にマズイ。