「あ、急にびっくりですよね、こんなこと。
 いやね、神楽坂は私が悩んでる時いつもより顔をなめてくれるんです。
 だから、そうなんじゃないかなって」

眼鏡娘は恐縮に言った。
「…うん、悩みなら色々あるな」
呉汰が落ち込みながら言う。
犬・神楽んはずっと呉汰の顔をなめ続けていた。

「ごめん、この犬どうにかして」
「あ、そうだよね。
 ごめんなさい」
眼鏡娘の名は 琴似 蓮(ことに れん)。