「父さんはその人にだまされたんだ。
 もっと父さんが強く言ってれば、
 何も言わないってその人はわかってたから。
 逃げたんだ。
 父さんは言いたくなかったんだろ?
 その人との関係を壊したくなかったから、
 その人に変な印象を与えたくなかったから。
 父さんもその人から逃げてたんだろ?
 父さんはその人にだまされたんだ。
 そんな人と友だちになるなんて…。
 父さんはバカだよ、おろか過ぎるよ」

父 向汰は息子にここまで言われ黙っていられるわけがない。


バチン。
父 向汰は呉汰をぶった。
呉汰はふっ飛んだ。
二人はにらみ合う。

「図星なんだろ。
 どうして父さんのせいで俺はこんなところにいなくちゃいけないんだよ。
 俺は普通の生活がいいんだよ」

呉汰はバッと立ち上がり、父 向汰を背に走り出した。


呉汰は自分から逃げ出したのだ。



にしても父親にぶたれたくらいで男の子が倒れるなんて…。
かっこ悪いっスね。