「父さんは昔俺ぐらいのとき将来の夢とかってあった?」

父 向汰らしい借金の仕方で呉汰は父を責めることもできず、違う話へと逃げた。
急な違う話題で父 向汰は戸惑った。

「…正直、何もなかったよ」
戸惑いながらも昔を思い出し話した。
あらぁ~呉汰と同じだぁ~ね。

「呉汰、17歳だろ?」
呉汰はうなずく。

「父さんが17歳の頃、
 学校の勉強をただ頑張ってた。
 何がしたいとか将来の夢とかなくて、
 大学だって得意の科目の学校いって、
 会社も行けるとこに就職した。
 だからかな、やる気が他の人よりも劣ってたと思う。
 17歳の頃、悩んだよ。
何やろうって…。
 けど、見つからなくてこれから先、生きていけば見つかるだろうって思ってた。
 まぁ~見事何も目的なくいるわけだ。
 情けないな。
 カッコいい父さんじゃなくてゴメン」

呉汰はただ父 向汰の長い話しを聞いていた。
考えれば、二人はちゃんとした話しをしたことがない。
必ず、母 西さんがいた。
と、いうより西さんが一人でしゃべっていた。
それに、各々が返事していたということだ。

「呉汰は?何かやりたいことはないのか?」
「…模索中」

正直、呉汰は何もなかった。
父に何もないとは言いたくなかった。
同じタイプの二人です。

「17の時にやりたいことを見つけてれば、今こんなことなかったかもな」

悲しい笑顔だった。