ここは大門家、縁側。

小さな庭が広がっている。
ゆっくりとした時間が流れていた。

呉汰と朗君が一緒にいた。
「ハーイ、呉汰に紹介したい人がいます」
暗い呉汰を完全無視し、一大決心し朗君が左手をピンと上げ、口にした。

呉汰も急に言い出した朗君にびっくりした。
「え?何??誰!?…」
暗く考えるのを一時休憩して朗君の話を聞く呉汰。

「うん、えっと、ほら!!
 呉汰とは血縁関係じゃないけど知り合いつーか友だち?
 いや、ほら俺的にはお前のこと弟みたいに思っているわけだから
紹介しとかなきゃなって思ってさ」

朗君は照れながらいつになく真剣に話をしていた。

「うん、そだね。わかったから。
 で、誰?」

呉汰はどうして朗君が真面目に言っているのか分かっていなかった。