天王 入谷はバスを降りた。

降りた天王 入谷はずっと頭を下げていた。

呉汰はドッと疲れた。

祖父母家に近いバス停がやってきたので、降りることになった。

「有り難う!!
 あんたのおかげで何も起こらずにすんだよ。」

月島は言う。

「俺は別に何もしてない…です。」

呉汰は恐縮していった。

「あんたも頑張れよ。
 あいつ(天王)みたいに頑張れよ。
 学校サボってちゃダメだよ!!少年。」

月島は上から目線で呉汰に物を言った。

「…あなたはもっともてなしの心を学んだほうがいいと思う。
 言葉使い気にしたほうがいいんじゃないですか?
 サービス業なんでしょ」

呉汰は月島に学校をサボっていないのにサボったいい加減な奴に思われたことがイラっときて反発してみた。

「あは、ムカつくガキだ!!
 名前は!?」

月島は笑い飛ばす。

「呉汰、本町呉汰です。」

「呉汰な。
 私は月島だよ、神田月島。
 じゃーね、呉汰。また逢おう。」

月島は元気いっぱい手をふる。

「さよなら、月島さん」

呉汰はおじきした。
いい出逢いをした。