次の日、高校の新学期―

呉汰は寝坊した。

呉汰はいつも朝、昼、夕のご飯をしっかり食べる子だった。

だが、今日ばかりは朝を食べる余裕がなかった。

急いで学ランに着替えて、
そして…ベッドに足を小指を思いっきりぶつけた。

「くっ……。」

声にならない痛みを抱えつつ、家を出た。

本町家はマンションの3階にある。