呉汰のクラスには小さなイジメがある。

小さいなんてイジメられている方に失礼ではあるが…。
本当に小さいのだ。

時々、一部の男子がその者を無視したり、ボールをわざとぶつけたりしていた。

そのやられているのが江北くんだったりする。

彼はガリ勉だ。
黒縁眼鏡をしている。
ちょっと暗い。

悪ふざけが過ぎる男子がいるのだ。

呉汰はそういうのが好きではない。
だから、呉汰はやらない。

人をイジメるということは絶対しないのだ。

イジメられている人にもちゃんと接するのだ。

イジメている者にとって呉汰の存在は気にくわない。

けれど、呉汰には何も言えない。

イジメたりしない…できないのだ。

呉汰は完璧だから。

勉強もできて、先生にもちゃんと信頼されていて、女子にも少し頼りになる存在だったりする。

それに大、大、大人気 湯島の友人というのもあった。

湯島は女子だけでもなく、男子にも憧れの存在だったのだ。

そのため、江北くんをイジメている者たちは呉汰をイジメることはしない。