「本町くんどうしたの?いつも冷静な君がイライラして。」

同じクラスの 豊洲 江北(とよす こうほく)くんが呉汰を心配し、話しかけてきた。

あ~あ、余計なことを、今の呉汰をそっとしておいてあげてよぉ!!

「…うるさい。君なんかに心配してもらいたくないよ。
イライラしてたって君には関係ないだろう。ウザったいな。」

江北くんは黙ってしまった。

「ごめんね、ウザくて、こんな僕いらないよね。」

江北くんは小さな声で言った。

そして、彼は早退してしまった。

どう考えても呉汰のせいである。

呉汰にもわかっている。

悪いことをしたと、思うたび自分の中に溜め込む。

そして、イライラするのだ。
呉汰よ、ダメダメ過ぎるぞ。