家に帰っても誰もいなかった。

リビングルームの机に置き手紙があった。

―今日は忙しく帰りが遅くなります。
 自分で夕飯は用意して下さい。
父と母より―

最近両親が忙しそうにしていた。

特に母親が。
父はボーっとしていることが多かった。

母は専業主婦なのであるが、ちょっと前からパートの仕事を始めた。

本町家は今、経済的に大変なのかもしれない。

呉汰はそんなことも考えず、
冷蔵庫にあった玉ねぎ、キャベツ、人参、豚肉(小間)を
焼肉のたれで炒め1品作った。

それとご飯とで、呉汰は夕飯をおいしく頂いた。

呉汰は料理上手であった。