「久しぶり、呉汰~。
 どこ行っちゃってたの?
 ずっと学校来ないし、携帯も出ないしさ。
 二人で心配してたんだよ」

二人のもう一人は…湯島の彼女栗原 絵利のことだ。

呉汰のもっとも逢いたくない人だ。

「悪いな…いろいろあって」

「そうなんだ」

あまり、深い所を聞かないさっぱりな性格の湯島。

「実は、俺今日で学校辞めようと思ってるんだ。
 …あ、思ってるっていうか辞めるんだ」

鳩が豆鉄砲食らったような顔の湯島。

「なんで?」

そこは湯島も気になるようだ。

「夢があるんだ。
 そのために辞める。
 あと、家が経済的に苦しいから。
 そんな中俺だけ勉強できないし。
 ヤレって言われてもやれないよ」

決意現る呉汰。