呉汰は一眼レフのカメラを持っていた。

けれど、借金のため父 向汰が勝手に質屋に売ってしまったものであった。
最近呉汰は頑張っていてお詫びの気持ちで父 向汰は買ってきてくれたのだ。

「いつも有り難う」
嬉しい呉汰。
大切なカメラが戻ってきた。

「ちょ、じーさん。
 うたた寝なんてしてないでよ」

感動的シーンにて、コクリコクリ眠ってしまった祖父 流汰。
「……」
なんともいえない空気。

そのまま食事を続け、床についたのだった。


とりあえず、家族の了承は得た。

明日、久しぶりに学校に行って退学しようと呉汰は計画していた。