「おもちゃのカメラが赤ちゃんの時、一番のお気に入りだった。
 小学校の時くらいから、使い捨てカメラでよく遊んでたよな」

呉汰はカメラが好きだった。

写真集『空色』風景ばかり撮られた写真集を買おうと思っていたほど、写真が好きだった。

「しかも、うまかった。
 本町家のアルバムは風景の写真ばっかりで。
どっか行った時の写真はメインの息子がほとんど写ってないんだよな」
昔の呉汰はカメラを離さなかった。
そして、人よりも風景ばかり撮っていた。
「…ハハ、いいアルバムじゃん」
三人は微笑みながら大門家へと帰っていった。