「もぉ~いいに決まってんじゃない。
 呉汰もバイトするってねぇ?」
一言も言っていないことを母が言い出してびっくりな呉汰。
けど、ここでNOは言えない雰囲気だった。

「まぁ~やれることはやるよ…協力する」
呉汰も決意を決めた。
「有り難う」
誰も口に出さない。
大人に言うべきではない。
だって、もう大人だから言うべきではない。
けど、呉汰は我慢できなかった。
「でぇ?父さんは何やるんだ?」
「…仕事を探すよ」
呉汰はその答えに不満だった。
「探すだけ?」
「…そして働くよ」
父はお酒をぐびっと飲んだ。
バン
机を叩く呉汰。
「真剣な話をしてんだ」
怒鳴る呉汰。
びくっとする一同。