「あ、どーも」
一気に緊張しだす呉汰。

「帰ってこないから、どうしたのか心配になったよ」
一安心な父 向汰。

「ごめん…父さん。
 ごめんなさい」
頭をさげる息子 呉汰。

「いや、帰ってきてくれて良かった。
 何もなくて本当に良かったよ」


「…父さん、そうじゃなくって。
 父さんをけなしてしまってごめん。
 バカにして、父さんの友達のことも悪く言ってさ…。
 反省してる」
訂正に入った呉汰。

父 向汰は手をポンと叩く。
「あ~それね」
「本当にごめん。
 自分だって同じ事してて、それを棚に上げて父さんだけが悪いみたいに。
 ぼろくそに言って本当に申し訳ないと思っている」
一生懸命謝ってくれる呉汰に嬉しそうを感じる父 向汰。
「父さんもごめんな。
 呉汰のこと叩いてしまって」
「いや、俺がいけないから」
「呉汰、もうい…」
これで丸く終わらそうではないかをこめて父 向汰が『いいんだよ』と言おうとした瞬間。