「蓮、俺。
 嘘ついてた」

呉汰は立ち上がる。
ちょっとかっこつけてズボンのポケットに手をつっこんで言ったのだ。
蓮ちゃんは首をかしげる。

「やりたいことあった。
 俺、カメラやりたいんだ」
呉汰のやりたいことはカメラなのだ。
写真を撮るのが好きなのだ。
「へぇ~カメラ??
 かっこいいねぇ~」
蓮ちゃんは呉汰にこう優しい声をかけてあげたのだ。
「今、すぐに何かできるわけじゃないけど、
 今は目の前のことちゃんと向き合って解決していかなきゃだけどね」
二人は目を合わせ、各々胸もとで右手をにぎりしめ。
「やるきゃない」
二人は共に言う。
「ワン」
遅れて犬・神楽んも言う。