私の話を聞き終え、カイトとエレナは難しい顔をする。

…その表情が、とても怖かった。

幼い子供達に、私の勝手な言い分が通じるのか。

「…むずかしいことはよくわかんないや」

カイトは呟く。

だが、その後すぐに笑顔を見せ。

「でもおとめはわるいやつじゃないから、きらいにならないでやるよ!!」

彼は白い歯をこぼれさせた。

「な?エレナ?」

「うん、わたしもおとめねえねすきー」

エレナも私の膝の辺りに抱きつく。

…私は、こぼれそうな涙を必死に堪えて笑顔を作った。

「そんなむずかしいこといいから、はやくあそびにいこうぜー!」

カイトとエレナが私の手を引く。

「…ああ!!」

私は二人の幼い兄妹と共に、赤い煉瓦の通りを駆け出していった。