獅子王が倒れるのを確認すると。

「う…」

紅はガクリとその場に膝をついた。

「紅!!」

私はすぐに彼に駆け寄った。

…肩からの出血がある。

私はドレスの裾を裂いて、紅の肩の傷口を縛った。

「他に痛む所はないか?」

「ああ…奴の蹴りで肋骨が折れただけで、問題はない」

「馬鹿!!大問題だ!!」

更に裾を裂いて、紅の折れた肋骨を固定するように胸に巻きつけた。

お陰で太股もあらわな、はしたない格好になってしまったがこの際どうでもいい。

私は紅に肩を貸して立ち上がらせた。

「…そういう格好の方が色気があっていいぞ、乙女」

紅がニヤリと笑う。

「うるさい!馬鹿!減らず口を叩くなら肩を貸さぬぞ!」

そんな事を言ってみたが、紅の皮肉が聞けるという事は、傷は大した事はないという事だ。

正直安心していた。