その時だった。

「何だぁ、泣いてるのかぁ!?」

おどけたような、そんな声が兵士達の中から聞こえた。

「俺達を導く戦乙女が泣いてるぞー?」

またそんな声。

「これじゃあ先が思いやられるなー」

「俺達がしっかりしないと、戦乙女を守れないぞー」

「やれやれ、世話の焼ける戦乙女だ」

口々に言う兵士達。

…その兵士達は、皆笑顔だ。

誰一人として、私を拒絶する者はいなかった。

…私は泣き笑いのような表情になる。

「な、泣いてなどおらぬ!」

「あれー?声が震えてるぞー?」

「ふ、震えてなどおらぬ!」

私は叫んだ。

「誰だ、戦乙女たるこの私をからかう者は!?仕置きをしてやるから前に出て来い!!」

私の言葉に、兵士達の間で笑い声が起こった。