ギロリと。

獅子王は俺を睨んだ。

「何だ?貴様も一兵卒の分際で俺の言葉に異論を挟むか」

「質問に答えろ」

俺は獅子王の言葉を無視して言う。

「乙女の言葉を綺麗事、と言ったのだな?」

「何故貴様ごときの質問に…」

「答えろ」

逆に俺が獅子王を射抜くような眼で見た。

「…!!」

それに一瞬たじろいたのか。

「言ったがどうした。事実ではないか」

獅子王は答えた。

「そうか…事実か」

俺はフッと笑う。

「乙女の言葉を美しい…美徳だと認めているのだな。だから貴様は乙女の言葉を綺麗事と言うのだ。違うか?」

「ぬ…!!」

獅子王が苦しげにうめいた。

「ふざけた事を言うな!そのような事は詭弁だ!!」