私は憎悪の炎を瞳に宿らせる。

「獅子王…貴様…!」

「大したものだ」

感心したように彼は言った。

「これだけの長時間の責め苦を受けて、まだそんな眼をしていられるとはな。実に責め甲斐がある」

「勝手な事をほざくな…!!」

折れかけていた心が、怒りで再び燃え上がる。

「貴様何のつもりだ…私にこのような罪人のような扱いを…!」

「ような?罪人のような?」

獅子王は何度も繰り返し口にした後。

「!!」

身動きの取れない私の腹に拳を叩き込んだ。

「ぐはっ!がっ…!」

「口を慎め。極悪人が」

腹の痛みにうめきながら、私は獅子王を睨む。

私が、極悪人…?

「覚えがないという顔だな…その手で何百という兵士を斬った殺人者の分際で」

「…!!」

心の中で燃え上がっていた炎が、急激に勢いを弱めた。