「愚弄するな!!」

他国の、しかも玉座の間である事も忘れて私は吠えた。

「私は同盟の為に来たのだ!貴様の庇護を受けに来た訳でもなければ、貴様より格下のつもりもない!同盟とは同格の者同士の事を言うのだ!」

「ほぅ…?」

獅子王は嘲りの目を私に向ける。

「大国や黒の旅団を壊滅させた程度で、随分のぼせ上がっているようだな、乙女」

「…!!」

こいつ、黒の旅団との戦いの事まで知っている?

あの戦いは国外には漏らさぬように内密にしていたというのに。

「他国の情報収集も戦のうちだぞ。まだまだ自覚が足りんな、女王陛下」

そう言って獅子王は玉座から立ち上がった。

「乙女…この世には貴様程度の力ではどうにもならぬ、圧倒的な実力差というものがあるのだ。例えば獅子の国と女神国、貴様と俺のようにな」

「…そのような話を始めるつもりならば帰らせてもらう」

私は獅子王に背を向ける。

が。

「待たぬか」

獅子王は私の腕をつかんだ。

馬鹿な…先程まで玉座の前にいたのに…一瞬にして間合いを詰めたのか。

しかも。

「くっ…」

この剛力…つかまれた腕が痛い。

「乙女…その頭の固さは如何ともし難いが…俺はお前を高く買っているのだぞ?」

獅子王はそう言って、私の体を舐め回すように見た。

「女としてな」