頭を悩ませていると、先生が私の横に来た。
トントン、と教科書を指差す。
…単語読めってか?



「…群衆墳…」




「そう、群衆墳。この時代には古墳の大きさは権力を表すものではなくなって――…」



嫌な予感的中してた…。
私はまた机に突っ伏す。
眠くて授業なんて聞いていられない。
1回目の授業で既に撃沈…。



意識の遠くでチャイムが聞こえる。
あぁ…授業終わったのか…。



「4時限目終わったよ…かなで」



クラスメイトに言われて顔を上げる。
4時限目!?
日本史って2時限目だった気がするけど…。