………………痛い………………くない?





「こ、ここどこ……」


気づけば、あたしは真っ暗な空間に寝そべっていた。

いや、正直なところ、寝そべっていたのかすらわからない。



真っ暗でなにも見えないから、感覚もおかしくなってる。




体が浮いているような感じもする。



(どうしちゃったんだろう……りんごは?)




「りんご?……ねぇりんご…」




暗い道(のようなもの)をひたひたと歩いていく。


感覚からして、あたしは今裸足なのだろう。



真っ黒でよくわからない。



どうしてこんなところに……あたしはいるのだろう。




思い出そうとすると頭がふいに痛んだ。



「んんっ…………くっ……ぅう……」



かすかに開いた口から、情けない声が漏れる。



(思い出せない……でも、思い出さないとこの空間から抜けられないような……そんな気がする)




そんなことを思って、またダメもとで考えてみるけれど、頭の痛みに邪魔されて考えることができない。


「どうしようかなぁ……」


あまりの心細さに、情けなく声が裏返る。





なんでだろう、涙が出てくるわけではなかった。