紺のジャケットとスカート、白いブラウスというオーソドックスな出で立ちだ。
竜太郎は声を掛ける。
「薫、久しぶり」
振り向いた薫は驚いた顔を見せた。
「あれ、久しぶりだね」
高校時代の恋人・薫に会うのは6年ぶり。
美術部の同期生の仲良し7人グループで飲み会をしたとき以来だ。
その飲み会は、全員が20歳になる年の夏にやったのが最初で、それから30歳のとき40歳のとき、と10年おきに開かれている。
次に行われるのは4年後だ。
「どうしたの?5月にこっちに来てるなんて」
と薫が聞く。
「ちょっとまとめて有給休暇取ったんだよ。元気だったかい?」
「おかげさまで。竜太郎は?」
「うん、まあまあだな」
高校卒業後、竜太郎と薫の遠距離交際は一年ほど続いた。
マメに電話や手紙でやり取りしたり、タマに薫が東京まで会いに来たりもした。
だが竜太郎が新しい彼女を作ったことで、二人の関係は敢えなく終了。
寂しさに負け、薫を裏切ってしまったのだ。
竜太郎はいまでも時々、本当にすまないことをしたと感じる。
二人はブックセンターを出て、近くの喫茶店に入る。
二人だけでゆっくり話すのは、実に27年ぶりのことだ。
竜太郎は声を掛ける。
「薫、久しぶり」
振り向いた薫は驚いた顔を見せた。
「あれ、久しぶりだね」
高校時代の恋人・薫に会うのは6年ぶり。
美術部の同期生の仲良し7人グループで飲み会をしたとき以来だ。
その飲み会は、全員が20歳になる年の夏にやったのが最初で、それから30歳のとき40歳のとき、と10年おきに開かれている。
次に行われるのは4年後だ。
「どうしたの?5月にこっちに来てるなんて」
と薫が聞く。
「ちょっとまとめて有給休暇取ったんだよ。元気だったかい?」
「おかげさまで。竜太郎は?」
「うん、まあまあだな」
高校卒業後、竜太郎と薫の遠距離交際は一年ほど続いた。
マメに電話や手紙でやり取りしたり、タマに薫が東京まで会いに来たりもした。
だが竜太郎が新しい彼女を作ったことで、二人の関係は敢えなく終了。
寂しさに負け、薫を裏切ってしまったのだ。
竜太郎はいまでも時々、本当にすまないことをしたと感じる。
二人はブックセンターを出て、近くの喫茶店に入る。
二人だけでゆっくり話すのは、実に27年ぶりのことだ。