晴斗王子は、私の質問に丁寧に答えてくれた。
ずっと気になっていた不思議な方言の謎も解けた。
銀行員だった王子のお父さんは転勤が多く、幼稚園の頃から何回も転校を繰り返したらしい。
そして、九州、関西、名古屋、東京、北海道、いろんな場所で少年時代を過ごしたんだって。
『馴染もうと思って、必死で友達の喋り方真似してたら、おかしくなってさ~』
王子は、かわいい一面を持ってる。
喫煙女のことは何も聞けないままだったけど、王子には好きな人がいるんじゃないかってことはわかった。
具体的に何も聞いていないけど、話していて何となく感じたんだ。
私も、自分のことを知って欲しくていっぱい話した。
男の人ってあんまり女の子の話を聞いてくれないと思っていたけど、王子はとても優しく聞いてくれて、ちゃんと感想をくれた。
名刺を渡した時、私の気持ちがバレていたかどうか聞くと、王子は笑いながら言ってくれた。
『気付くわけねーべ。会ったこともねぇのに!!何かのバツゲームかと思ったよ。でも、名刺渡した後の嬉しそうな顔見て、ちょっとだけ・・・期待もしたけどな!』
楽しくて夢のような幸せな王子との初電話だった。