「おい!!ちょい、待てって!言いっぱなしってあるかい!!」
王子の声に亜沙子が走る私の腕を引っ張った。
廊下には、ゴミ分別のポスターがたくさん貼られていた。
「人の心乱すだけ乱して、逃げるのか?今日、電話するからケータイ教えて。」
ただ呆然と廊下の壁にもたれかかっていた私。
亜沙子が私の鞄の中からケータイを取り出して、赤外線通信で番号を送信した。
「あ・・・山田君には言うなよ。姉ちゃんにバレると厄介なんじゃ。」
じゃあ、また・・・と言い、王子は仕事に戻った。
夢じゃないよね?
私はどうやって家に帰ったか覚えていない。
亜沙子が家まで送ってくれたようだ。