4階に行く階段で、私の心臓は激しく高鳴った。
これが、よく小説や映画で言う『ときめき』や『キュン』なのかな。
だとしたら、私はこれからこんなに苦しい想いをしながら生きていくのか…
「初めまして。清水と言います。え~っと、ここからは、ゴミ分別についての説明とみんなからの質問コーナーです。気軽に何でも聞いてくださいね!」
あなたは誰ですか???
白のシャツに、ブルーのネクタイ。
いつもまくりあげてるシャツの腕の部分もきっちりと下ろし、
どこから見ても、爽やかな好青年。
私と亜沙子は、唖然として顔を見合わせた。
でも、かっこいい。
仕事モードの灰皿王子に、私は『キュン』とした。
でも…
いろんな質問に優しく答える王子を見ていて、
あの日の王子と別人なんじゃないかって思えてきた。
『何じゃい、おめ~ら!』って言った灰皿王子と
『ゴミの分別は大事なんだよ』なんて言ってる清水さん。
どっちが本当のあなたなんですか?