そして、とうとう市役所見学の日がやって来た。
制服である高校生の私ができるお洒落って限られてて、
頑張れるのは、髪型と靴下くらい。
あとは、いつもよりマスカラをいっぱいつけたことくらいかな。
「市役所の中は静かにするように!!」
これまたびっくりだけど、市役所見学の引率の先生が、
古典の小早川だった。
恋の花咲く市役所見学。
「どうも、皆さん初めまして。市役所で働いています田中と言います。ここから先は、僕が案内します。ビデオ鑑賞が終わりましたら、4階でゴミ分別について直接質問を受け付けます。」
今、4階って言った。
このメタボ間違いなしの田中さんって人じゃなく、
私は清水さんに会いたいの!!
4階って聞いて、反応している奴がもう一名。
山田はがっくりと肩を落とし、ため息をついた。
「嬉しいくせに。」
優雅はまた山田をいじめて喜んでいた。