次の日の朝、ハイテンションで近付く亜沙子の後ろには

少し斜めに構えたかっこつけた優雅がいた。


「お礼は、陽菜ちゃんと一日デートでいいよ。」


ん?

優雅は、少し伸びた髪を手で束ねて、上から私を見下ろした。



「何、言ってんの?ば~か!」


言い返した私に亜沙子が申し訳なさそうに言う。



「ごめんね!陽菜!優雅に頼んで、市役所見学行けることになったよ!」



「まじ??やったぁ!!!全然いいよ!使えるものは使わなきゃ!」



優雅がいることも忘れて、亜沙子に抱きついて喜んだ。





「おい、俺の存在忘れてない?使えるものは使うって俺は何なんだ。」



ため息まじりにそう言った優雅に、頭を下げた。



「影でどんな悪いことしたのか知らないけど、ありがとね!優雅!」



「担任に言っただけだよ。俺達4人は最初に手を挙げたんだから、行かせて欲しいってな。当たり前のことを言っただけだから…あ、でも、デートはしてね。」



優雅は、でーとはしてねって所だけニヤけた顔をしたけど、いつになく真面目は表情だった。


頼りになるじゃん…

見直しちゃった。