「はい!!!!私と陽菜は市役所がいいです!!」
みんなが振り返るくらいの大声で亜沙子は手を挙げた。
「あ!俺と山田悟も市役所が良いです!」
隣で立ち上がったのは優雅だった。
優雅と山田が一緒に暮らしていたということは、
喫煙女と優雅も一緒に暮らしてたってことだよね。
「はぁ?俺はやだよ!市役所なんて。」
優雅の机を叩いた山田。
「俺も久しぶりに会いたいんだよ。お前も姉ちゃんの仕事姿見たいくせに。」
腕組みをしたまま優雅は笑い出した。
謎が深まる。
山田と喫煙女と優雅との関係。
「山田のお姉ちゃんって市役所で働いてるの?」
わざとらしく亜沙子が山田に質問をした。
声も出さず、面倒くさそうに頷いた山田に、優雅が言う。
「こいつ、姉ちゃん大好きだからぁ!!」
山田は本気で怒り出し、優雅の頭を叩いた。
パシッという軽い音がして、私は笑ってしまった。
「優雅の頭の中、からっぽそうだね~!」
「陽菜ちゃんのいじわる!」
体は大きいし、年上なのに、優雅はどこか弟のよう。