「おっはよ~!!陽菜!」


勢い良く背中を叩いたのは亜沙子だった。



「おはよ!昨日はありがとね。亜沙子。」


亜沙子は、うんうんと頷きながら、私の手を引っ張って教室に入る。



私の席の周りには、優雅目当てに集まった他のクラスの女子がいた。



「あ!おはよう!陽菜ちゃん!」


優雅はそんな状況の中、私に甘い声で挨拶をした。




「あ、おはよ。」


軽く返事をすると、数人から刃物のように鋭い視線が突き刺さる。




はぁ…


何でもないのに。



私が好きなのは、灰皿王子なんだよ?


プリンス優雅に気にいられても嬉しくない。



「お前ら、邪魔!!」


朝練を終えた山田が、機嫌悪い顔して優雅の周りの女子を睨む。