「ははは!おめ~おもろいな。確かに喫煙女だけどな。あれが山田君の姉ちゃん!ってか、マジであの扉閉まるから!!早く帰れよ!」



灰皿王子は、両手を頭の上に上げて、手を振ってくれた。



「ばいば~い!」


亜沙子が大きな声でそう言いながら手を振ったので、


私も一緒になって手を振った。



「おうよ!また明日~!」



私と亜沙子はすごい勢いで廊下を走って、市役所から出た。



扉を開けて、外に出た瞬間に私は全身の力が抜けてその場にしゃがみ込んでしまった。



「陽菜ぁぁ!!!!良かったね。良かったね…王子、優しいじゃん!!」



私は亜沙子の温かい胸に顔を埋めて、嬉し涙を流した。




恋愛をしたことのない私は、混乱していた。


嬉しくて、こんなにも涙が出るなんて知らなかった。