相変わらず濃い化粧と派手な服装をした白田真弓が、俺の車に乗った。
キツイ香水の匂いが苦痛だった。
「ファミレスでいい?」
俺は白田と一番奥の席に座り、コーヒーを注文した。
学生らしき団体が、夜遅いというのに騒いでいた。
「離婚したいの?」
「わからない」
沈黙が続く。
「どうしたいの?」
「わからない」
また沈黙。
「どうして俺に連絡してきた?俺は何もできない」
「わかってる。ごめんなさい。でも・・・清水先輩に会ったら、答えが見つかる気がしたの」
答え?
「見つかった?」
「ううん・・・やっぱり清水先輩が好きだなって思っただけ。でも、主人のこともやっぱり愛してるんだと思う。だから許せなくて」