家の前で陽菜に電話をかけると、眠そうな声で電話に出た。
「陽菜、話がある。こんな時間だけど、ちょっと出られるか?」
パジャマ姿の陽菜が家から出て来て、恥ずかしそうに顔を隠した。
指の隙間から見えるかわいい陽菜の顔を見ていると、ここに来て良かったと心から思った。
俺は、全てを話し始めた。
突然電話がかかってきて、それから何回か電話があること。
そして、何度も仕事中に会いに来ること。
その理由は、旦那さんとのことを俺に相談したいから。
そして、昔俺のことが好きだったらしいことも。
陽菜は、表情を変えずに、ただ頷きながら話を聞いていた。
そして、今日の陽菜のおかしな言動のわけを話してくれた。
実は、陽菜は俺が白田と役所の前で話している場面を偶然見てしまったらしい。
それを俺に言えないまま、疑心暗鬼になって、悩んでいたと・・・